2016年9月22日木曜日

接骨院 保険金詐取疑い 昭和署 元経営者と患者逮捕 

不正請求の疑いがあるケースは少なくとも28件あるとみており、総額は1億円余に上る。となっています。
1件約350万円・・・
高すぎますね。
お客様の所でこんな金額見たことないです。



交通事故のけがの通院日数を水増しし、損害保険会社から保険金をだまし取ったとして、名古屋・昭和署は、詐欺と詐欺未遂の疑いで、名古屋市昭和区の「しらかね接骨院」の元経営者で柔道整復師の岡田勉(40)=同市瑞穂区雁道町2=と、患者の自称派遣会社員浅野俊一(40)=同市緑区東神の倉3=の両容疑者を逮捕した、と20日発表した。
逮捕容疑では、両容疑者は共謀し、昨年5月ごろ、浅野容疑者がしらかね接骨院で3日間しか施術を受けていないのに19日間通院して施術を受けたように装い、偽の施術費用明細書を東京都内の損害保険会社に提出し、保険金約14万円をだまし取ったとされる。昨年6、7月ごろにも同様の手口で、保険金をだまし取ろうとしたとされる。
署によると、岡田容疑者は容疑を認め、浅野容疑者は「知らない」と否認している。昨年3月に浅野容疑者が名古屋市天白区内で実際に人身事故に遭い、その事故を悪用したとみられる。損害保険会社からの告訴で発覚した。
接骨院が保険金を不正請求する詐欺事件は各地で相次いでおり、愛知県内では春日井署が今年7月、詐欺容疑で元接骨院経営者の男を逮捕。昨年11月には、岡崎署が元接骨院経営者や患者の男らを逮捕した。
把握は氷山の一角 背景に過当競争 接骨院業界の不正請求
接骨院が保険金を不正請求する詐欺事件が後を絶たない。背景には、近年の接骨院の増加に伴う過当競争があるとされるほか、接骨院を営む柔道整復師のモラル低下を指摘する声もあり、対策が急務となっている。
柔道整復師は厚生労働省が認めた国家資格。骨折やねんざなどからの回復のための施術をする。交通事故でけがをした患者を施術する場合には、自動車損害賠償責任保険(自賠責)が適用される。接骨院が保険会社に施術費を請求し、保険金が支払われる。
損害保険会社各社でつくる「損害保険料率算出機構」(東京)によると、2014年の交通事故死傷者数は71万人で、5年前より20万人近く減った。一方、柔道整復師による自賠責保険の請求件数は17万件から24万件に増加し、総施術費は533億円から738億円に膨らんだ。 
昭和署の詐欺容疑事件で被害に遭った大手損害保険会社は、1年半前に調査を強化。今回を含めて、不正請求の疑いがあるケースは少なくとも28件あるとみており、総額は1億円余に上る。同社関係者は「把握分は氷山の一角。もぐらたたき状態だ」と嘆く。
なぜ不正は起きるのか。保険会社の担当者は「病院では事務の女性など多くの人が介在し、保険金の請求をするが、接骨院では個人経営が多く、チェック機能が働かず、不正の温床になりやすい」と指摘。自賠責の患者も通院一日当たりの日当が支払われるため、結果的に不正請求に加担するケースもあるという。
柔道整復師を養成する学校は1998年度には全国に14施設しかなかった。だが、国が新規の養成学校設立の規制を緩和したことで、2015年度には109校に増加。柔道整復師も増え、各地に接骨院が急増した。ある接骨院関係者は「患者数はさほど変わらないので、患者の奪い合いになっている」と言う。 
愛知県柔道整復師会(名古屋市)は、相次ぐ不正請求の発覚を受け、文書や研修を通して会員に適正申請を呼びかけている。担当者は「技術やモラルの低下が懸念されている。自浄作用を働かさないといけない」と危機感を募らせる。

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