2017年2月19日日曜日

療養費不正 「往療費」架空や水増し798万円 紀の川の鍼灸治療院 /和歌山




和歌山県後期高齢者医療広域連合は17日、紀の川市の夫婦が同市と日高町で運営する鍼灸(しんきゅう)・マッサージの治療院が、少なくとも2012年2月から4年半の間、療養費計約798万円を不正受給していたと発表した。経営者の夫(52)は全額の返還に同意しているが、県や同市は刑事告発も検討している。

同連合が確認した不正受給は、患者だった77~93歳の男女計22人分計299件。治療院まで送迎した際に患者宅で施術したことにして保険者に「往療費」を請求したり、近くの高齢者施設入所者に往療したのに患者の元の住所に行ったことにするなどのやり方で距離を水増ししたりしていた。

経営者は、架空の療養費を保険者に請求したとして13年3月、執行猶予付きの有罪判決を受け、15年11月には鍼灸師資格も取り消された。しかし、その後も施術して療養費を請求。無資格施術にも該当するが、資格を持つ男性従業員(55)の名義で請求していたため発覚が遅れたという。

同連合によると、不正受給の背景にあるのは、療養費の支払いの仕組み。本来は患者自身が自治体などの保険者に直接請求するが、窓口で立て替えた治療院が代理で請求する「代理受領」が慣例化している。患者には便利だが、鍼灸などでは法律の規定もなく、患者が知らないうちに請求できるため、「不正の温床になっている」(同連合)という。

同連合はこの経営者と従業員、施設開設者である妻(49)について3月から5年間、代理受領を中止する。

引用元:毎日新聞




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