◇医療法人理事長に 府警、詐欺容疑で計7人逮捕
大阪市浪速区の歯科医院(閉鎖)で診療報酬が不正受給された詐欺事件で、大阪府警は27日、医院を運営する徳島市の医療法人理事長、賀川幸一郎(45)=徳島市=と、府警OBの元巡査部長、今野作治(56)=大阪府豊中市=の両容疑者ら計7人を詐欺容疑で逮捕した。今野容疑者が歯科医院の経営権を譲渡させる書類を賀川容疑者に書かせたとされ、府警は今野容疑者が医院を乗っ取った状況に着目して捜査している。
府警は他に5人の逮捕状も取って行方を追っている。
逮捕容疑は昨年9月、賀川歯科医院難波診療室で、実際は診察していない4人の治療をしたとする偽の診療報酬明細書を作成。診療報酬を架空請求し、約14万円を詐取したとしている。
府警によると、今野容疑者やその知人らが昨年7〜8月、医院に医師がいないのに患者約50人分の健康保険証を悪用し、計約360万円の報酬をだまし取った疑いが持たれている。必要のないレントゲンを撮影して偽の診療記録を作成。その後、何度も診療したように装って不正請求を繰り返したという。
医院は2006年春に開院したが、数年前から経営難に陥っていた。今野容疑者らが次第に運営への関与を強め、歯科医師らが昨年7月に退職。その後は事実上診察できない状態だったが、医院の名前も変えられ、看板も掛け替えられて不正な診療が続けられた。
賀川容疑者は普段、徳島市の歯科クリニックで診療していたが、今野容疑者らの要請で診療報酬の請求内容をチェックして、不正受給に関与したとみられる。
賀川容疑者の知人男性によると、今野容疑者は医院の経営権の譲渡を賀川容疑者に迫っていたという。賀川容疑者は逮捕前の取材に、「知人を通じて経営権の譲渡書類を(今野容疑者に)渡した。医院を乗っ取られ、架空請求に協力させられた」と話していた。【山田毅、宮本翔平】
◇今野容疑者 暴力団捜査専門、懲戒処分後に依願退職
今野容疑者は府警本部や警察署刑事課で暴力団捜査に関わっていたが、在職中から暴力団関係者などと親密な交際が指摘されていた。ある捜査関係者は「複数の暴力団組員と親しくしていた。捜査対象者から現金も借りていた」と明かす。曽根崎署に勤務していた2002年7月、不動産会社社長と金銭の貸し借りなどが発覚し、不適切な交際があったとして懲戒処分されて依願退職した。社長から大阪市内のホテルで飲食の接待を繰り返し受けていた。
引用元:毎日新聞
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